原子力災害の避難区域について知っていますか? EPZとは?
実は私は先日まで避難区域についてまちがった認識をしていました。
こんな記載をみかけたことはありませんか?
UPZ = Urgent Protective action planning Zone 緊急防護措置計画範囲(5~30キロ)
EPZ = Emergency Planning Zone 防災対策重点地域の範囲(5~10キロ)
PAZ = Precautionary Action Zone 予防的措置範囲(~5キロ)
PAZは最近は一般に「即時避難区域」、UPZは「避難準備区域」と呼ばれています。
調べてみると、EPZは廃止になり、現在はUPZを採用することになった・・・という記載がされているものが散見されました。
ああ、そうなのか、広い範囲を採用することになったのね・・・と単純に考えていたのですが、英文の資料を読んでいてそれが間違いであることに気づきました。
正しくは、PAZとUPZをひっくるめた、防災区域がEPZと呼ばれる区域なのです。
日本語で記載されているものを読んでも、私にはさっぱりわかりませんでした。
お役所の日本語って、なんてわかりにくいんでしょう!
実は私は香港の原子力情報サイトを読んでいて初めて理解しました。
英文と中文にもかかわらず、日本語よりわかりやすいというのはどういうことでしょう。
もう、笑うしかありません。
ここまでくると、故意にわかりにくい翻訳をしているのではないかと思ってしまいます。
というわけで、わかりやすい翻訳を掲載したいと思います。
DBCP-RADIATION AND NUCLEAR SAFETY-NUCLEAR EMERGENCY MANAGEMENT より
EPZとは何ですか?(中文では「緊急計画区」)
EPZとは原子力施設周辺の防災エリアです。
このエリアでは、事前に詳細な危機管理計画を策定・準備し、原発事故が発生した場合は、住民に適切な情報と防護措置を提供しなくてはなりません。
国際原子力機関(IAEA)のEPZとはどんなものですか?
国際原子力機関は以下の種類のEPZを設定しています。
・PAZ(Precautionary Action Zone)(中文では「予防行動区」)
・UPZ(Urgent Protective Action Planning Zone)(中文では「緊急防護行動計画区」)
はい、よくわかりましたね!
EPZというのは原子力災害の防災エリアです。
原子力発電所における事故や災害に備えて、防災対策を適用する区域ということです。
次回は、PAZとUPZについても、こちらのサイトを参考にみていきたいと思います。
このサイトの記載は、IAEAの国際安全基準(IAEA Safety Standards)から参照、引用されています。
Arrangements for Preparedness for a Nuclear or Radiological Emergency, GS-G-2.1 (2007)
ちなみに私の翻訳は、中文メインで英文も一応確認しながら翻訳しています。
原発関連の専門用語が全くわからないので、英文だけだとうまく翻訳できないことが多く、中文をメインに翻訳しています。
もし、間違いやお気づきの点がありましたら、遠慮なくご指摘ください。
詳しく教えていただけるとありがたいです。
こんな単純明快なことなのに、どうして日本語のサイトの記載はわけがわからないものが多いのでしょうね。
参考までに、日本語サイトのURLをのせておきます。
読むと混乱するかもしれませんので、読まない方がいいかもしれません(笑)。
原子力防災基礎用語集:防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲(EPZ)