他の国のEPZについて

ご紹介している香港の原子力情報サイトに、他の国のEPZについて比較した記載がありました。

日本ではあまり見かけないものなので、ご紹介します。

DBCP-RADIATION AND NUCLEAR SAFETY-NUCLEAR EMERGENCY MANAGEMENT より

 

f:id:Mitsuki_z:20140228203917p:plain

 

2011年12月13日のものです。

IAEAの認識では、日本はUPZが8~10キロと定めてあるだけです。

推測でしかありませんが、日本でEPZと言われていたものが、IAEAではUPZという認識にしかならなかったのではないでしょうか。

当時日本にはPAZもUPZもなかったのかもしれません。

日本の基準がいかにいいかげんだったかがよくわかります。

 

4に日本の対応がかかれていますので翻訳しておきます。

2011年11月日本の原子力安全委員会はPAZを半径5キロ圏、UPZを30キロ圏、PPZ(プルーム・プロテクティブ・ゾーン:プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域)(屋内退避など)を50キロ圏と制定した。

 

PPZなるものが制定されていました。

PPZ=Plume Protective Zone

Webで検索したところ、原子力安全委員会の資料に「プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施する地域」とありました。

参照:原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方について

50キロどころじゃないと思うんですけどねえ・・・。

 

最後に、IAEAの資料に「長期間防護行動区域」(LPZ:Longer Term Protective Action Zone)というものがあるということに注目して下さい。

日本ではおそらく一般的に知られていない概念ではないでしょうか。

原発先進国のフィンランド、ドイツでは、LPZを100キロとしています。

日本にもこのような区域が必要なのではないでしょうか。