混乱! 日本のEPZとは? PAZとは? UPZとは?

こんなブログを見つけました。

ブログの記事そのものは非常に興味深いものですので、原発問題に関心のある方はご一読下さい。

 

Hashigozakura

<原発・防災指針、福島避難民の怨嗟の声が聞こえる>

6年前、保安院が防災指針国際基準化に反対。 当時の広瀬研吉保安院長自身が「なぜ、寝た子を起こすんだ!」と防災指針見直しに圧力をかけた。 住民避難はもっと早くできた可能性があった。

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PAZが5キロ圏内。

EPZが8~10キロ圏内でこれが廃止。

EPZにかわって、UPZが30キロ圏内となっています。

この図はブログからいただいてきたものですが、おそらくもとはネットのニュースサイトのものではないかと思います。

 

PAZが「無条件に避難」となっていますが、これは間違いです。

PAZは、防護措置(屋内退避、避難、安定ヨウ素剤の配布)を無条件に行う区域です。

 

UPZも「一定以上の放射性物質が飛散したら避難」とありますが、これも間違い。

UPZは、モニタリングに基づいて防護措置(屋内退避、避難、安定ヨウ素剤の配布)を行う区域です。

 

こういう記事が混乱をまねくのでしょう。

自治体などが、PAZを即時避難区域、UPZを避難準備区域と呼ぶことを敬遠しているのは、本当にすぐに避難する区域、と思われると困るからなのでしょう。

 

そして、こちらは最近のもの。

北海道のサイトにあったものです。

原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方について より

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日本ではこういう認識なんですね。

 

ところが、2011年11月までは、IAEAでは、日本ではPAZは設定されておらず、UPZのみ8~10キロ圏内ということになっていました。

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日本でEPZと言っていたものは、PAZとUPZを含めた原子力防災区域のことです。

そのため、IAEAではUPZとしか認識されなかったのではないでしょうか。

 

 

とりあえず、日本ではEPZと呼ばれるものはなくなりました。

混乱しますので、東電電事連への怒り以外は忘れてくださってかまいません。

 

 

参考資料

発電用原子炉施設の災害時における予防的措置範囲(PAZ)の調査(内閣府受託報告書)